桑田歩  Ayumu Kuwata    profile

 茨城県土浦市生まれ。3歳よりヴァイオリンを、8歳よりチェロを父、桑田晶に手ほどきを受ける。東京音楽大学付属高校を卒業後、同大学専修科コースを経て1987年ウィーン市立音楽院に留学。同地に於いてリサイタルを開催する他、オランダ放送テレビに出演。第10回霧島国際音楽祭にて特別賞を、イタリアのキジアーナ音楽院にて特別名誉賞を受賞。チェロを堀了介、J.バイロフ、D.シャフランの各氏に、室内楽をR.ブレンゴラ氏に師事。

 1991年に帰国、群馬交響楽団の首席チェロ奏者に就任し、定期演奏会等にてソリストとしても活躍。1995年新星日本交響楽団(現東京フィル)の首席チェロ奏者に就任。新星日響の活動の傍ら、読売日響、東京都響、新日本フィル、東京交響楽団、大阪フィル等の客員首席奏者を度々務める。第68回日本音楽コンクール作曲部門の作品演奏で「委員会特別賞」を受賞。1999年NHK交響楽団のチェロ奏者に就任し、2020年3月までに次席奏者、及び首席代行奏者を務めた。

 録音は、室内楽奏者として、またN響のチェリスト4人で結成されたチェロ四重奏『ラ・クァルティーナ』のメンバーとして、これまでに20枚近くのCDをリリースしているほか、ソロ小品集「ヴォカリーズ」、「メロディ」、ショパンの作品を収録した「ポーランドの歌」の3枚のアルバムもリリースし、いずれも高い評価を得ている。

 これまでに、チョー・リャンリン、ジェームズ・エーネス、ペーター・シュミードル、ヴォルフラム・ クリスト、アリス=沙良・オット、中村紘子、清水和音などの国内外の著名な演奏家と数多く共演する他、フィリップ・グラスのチェロ協奏曲を日本初演するなど、ソリストとしても活躍している。また指揮者としての活動も多く、近年では東京ジュニアオーケストラソサエティー、ブルーメン・フィル、浦安シティオーケストラ、品川区民管弦楽団などの指揮を務め、2014年に行われたブロカートフィルの公演ではアッペルモントの『カラーズ』(オーケストラ版)の世界初演の指揮をしている。

 現在、ラ・クアルティーナのメンバー、昭和音楽大学客員教授、及び新日本フィルハーモニー交響楽団客員首席奏者を務める。